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発端


そもそも私が中国に興味を持つようになったきっかけは、
1992年に遡ります。

当時都内の某美術大学でプロダクトデザインの勉強をしていた私は、
本田宗一郎に憧れ、バイクデザイナーを目指すライダーでした。

日本は当時バブル末期で、
大半の人はその史上最大の好景気がまだずっと続くと信じ、
湯水のように高級品にお金を注ぎ込んでいました。

ところが、大学で工業デザインの勉強を始め、
日本の産業時代の歴史を振り返るにつれて、
日本の成熟し切った工業社会の現状が見えて来ました。

そこで私は直感的に悟りました。
「もうこの国の成長は止まった。
 この好景気時代が終わりを告げる日も近い。」と。

「成長の止まった国でいくらがんばってもつまらない。
 自分の成長も遅らせてしまう。」
 そう思った時、とっさに考えました。

「次の国はどこだ?!」

「中国」

すぐに答えは出ました。

「そうだ。中国だ!中国に行こう!」

と同時にいつかテレビで見た中国の風景が蘇りました。

あふれる、人、人、人、
そして車やバイクの間をすりぬけ進む凄まじい数の自転車!

それを目にした時感じた思い。

「中国って確かすごい広いよな。自転車で移動って大変だろうに・・・。」

「そうだ!バイクだ!中国の自転車をバイクに変えよう!
 中国で第二の本田になるんだ!」


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